今後の予定

2015 年度

2015年11月19日(木) 16:00-- @ W9-201

  1. 講演者: 講演者: Pierre-Louis Poirion氏 (LIX-Ecole Polytechnique,Paris,France)
    • 題目: Optimization of dynamical systems, bilevel programming and observability on smart-grids.
    • 概要: In the french "Sogrid" project about smart-grids, our aim is to place the minimum number of measurement devices on the links of a power-grid in order to "observe" to whole grid. After studying the complexity of the problem, we present a first natural but computationally unsatisfactory MILP model, which we reformulate into a bilevel program using a fixed point argument. We will then study a large class of dynamical systems depending on parameters which we want to optimize. We will show that under some dominance hypothesis, these problems can be reformulated into conic bilevel programs. We then present a new constraints and variables generation algorithm to solve the problem and show that the observability problem can be solved by a simplified version of the algorithm. Finally we discuss some relations between the observability problem and the minimum rank of a graph and show that some bounds can be found to speed up the algorithm.

過去の記録

2014 年度

3月5日(木) 17:00--18:30 @ W9-201

  1. 講演者: 講演者: Jean-Francois Baffier氏 (東京大学 大学院情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻 今井研究室 D3)
    • 題目: Extended Mutliroute Flow for Multilink Attack Networks
         (拡張マルチルートフローとマルチリンク攻撃問題への応用)
    • 概要: TBA

2013 年度 後期

2/20 (木) 17:00--18:30 @ W9-201

  1. 講演者: 奥野貴之氏 (東京理科大学 工学部 経営工学科)
    • 題目: 錐制約をもつ半無限計画問題に関する諸研究
    • 概要: 半無限計画問題とは, 無限個の不等式制約と有限個の変数で特徴付けされた最適化問題のクラスである. 工学や経済における多くの現実問題が半無限計画問題として自然に定式化されることが知られ, 最適性条件や双対性などに関する理論の構築や, それらに基づいた半無限計画問題を解くためのアルゴリズムの設計が盛んに行われてきた. 本講演では, 凸錐制約をもつ半無限計画問題に焦点をあて, それらの最適性条件やアルゴリズムについて述べる.

12/19 (木) 17:00--18:30 @ W9-201

  1. 講演者: 鈴木大慈氏 (数理・計算科学専攻)
    • 題目: 交互方向乗数法の確率的解法
    • 概要: 機械学習における正則化学習問題を解くにあたり, 交互方向乗数法は非常に汎用的でかつ強力な最適化手法である. 本研究では, 交互方向乗数法をベースとしたいくつかの確率的最適化手法を提案する. サンプル数が大きい場合には, 一回ごとの更新に全てのサンプルを観測して更新するのではなく, 少数のサンプルのみを観測して更新する確率的最適化手法が有用である. 提案手法は大きく二つのタイプに分けられ, 一つ目は観測したサンプルは捨ててしまうオンライン型の手法で, 二つ目は双対問題において確率的座標降下法を用いる手法である. オンライン型の手法としては, 近接勾配型と双対平均型の手法を紹介し, それぞれがミニマクス最適なレートを達成することを示す. 一方, 双対問題において確率的座標降下法を用いる手法は, 指数的収束を達成することを示す. それぞれの手法を数値実験結果を交えて, その有用性について議論する.

11/21 (木) 17:00--18:30 @ W9-201

  1. 講演者: 相馬輔氏 (東京大学 大学院情報理工学系研究科 数理情報学専攻 数理情報第 7 研究室 D1)
    • 題目: 二部グラフ上の最適予算配分問題に対する高速アルゴリズム
    • 概要: 二部グラフ上の最適予算配分問題は, 企業のマーケティング活動を数学的にモデル化した最適化問題である. この問題には, 定数近似比の多項式時間アルゴリズムが知られていたが, 計算量の面で実用的ではなかった. また, マーケティングにおける実際の意思決定に役立てるには, より複雑な状況にも対応できるようにする必要がある. 本研究では, この問題を劣モジュラ性と呼ばれる組合せ的概念を用いて捉えなおし, より複雑な状況下でも定数近似解を求められることを示した. さらに, 劣モジュラ性を利用することで, 広告の影響力が時間とともに減衰するような状況ではほぼ線形時間で定数近似解を求められることを示した. 最後に, 実際の広告データとべき乗則にもとづくグラフに対して数値実験を行い, その有用性を確かめた.

10/24 (木) 17:00--18:30 @ W9-201

  1. 講演者: 田中未来氏 (経営工学専攻 中田研究室 D3)
    • 題目: 船舶航行計画問題に対する航路生成法
    • 概要: 本発表では, 船舶航行計画問題に対する厳密解法を提案する. 船舶航行計画問題とは, 出発地から目的地までの航路と船速をうまく決めて燃料の総消費量を最小にする問題である. 船舶航行計画問題は混合 0--1 整数非線形最適化問題として定式化でき, 少しだけ近似を施すと混合 0--1 整数 2 次錐最適化問題に変形できる. この問題は汎用ソフトウェアで解くことが可能だが, 大規模な問題を解くことは難しい. そこで本研究では, 航路の生成と船速の最適化を交互に繰り返す航路生成法を提案する. この解法の特徴は, 航路の生成は制約付き最短路問題に, 船速の最適化は 2 次錐最適化問題に帰着できるため, 各反復を高速に実行できること, 航路を生成する際に最適値の下界値を求めることができるため, 理論的にはすべての航路を生成することなく最適解を求めることができること, 燃料の総消費量が少ないことが見込まれる航路を優先して生成するため, 反復の途中であっても優れた暫定最適解を得ることができることの 3 つである. なお本研究は小林和博氏 (海上技術安全研究所) との共同研究である.

2013 年度 前期

7/18 (木) 17:00--18:30 @ W9-201

  1. 講演者: 宮本裕一郎氏 (上智大学 理工学部 情報理工学科)
    • 題目: 不動点定理を用いたドロネー性の確認
    • 概要: 計算幾何学における基本的なデータ構造にボロノイ図とその双対であるドロネー図がある. 本研究ではドロネー図の位相構造だけを取り出したドロネーグラフを扱う. 平面上に埋め込まれた三角形分割グラフがドロネーグラフであるか否かの判定は, 浮動小数点演算を前提とした画像処理では重要である. そしてその判定が線形計画問題に (多項式時間で) 帰着できることは 1990 年台中頃には知られていたが, その証明は難解・複雑なものであった. 近年我々は新たに簡潔明瞭なる証明を提案したが, その成功の鍵は不動点定理を用いたことである. 本発表では, 計算幾何学と最適化の面白さを伝えることが出来れば幸いです. 本研究は松井知己氏 (東京工業大学) との共同研究です.

6/13 (木) 17:00--18:30 @ W9-201

  1. 講演者: 伊藤勝氏 (福田研究室 D1)
    • 題目: 凸計画問題に対する効率的な劣勾配法と新しい計算量解析の枠組み
    • 概要: 本研究では, 凸計画問題に対する劣勾配法を扱う. Nemirovski と Yudin によって提案された Mirror Descent (MD) 法は, アルゴリズムの生成点列 xk に対して, 絶対誤差 f(xk) - f* の収束オーダーが O(1 / √k) であることを保証するために強い仮定が必要となる. 本研究では, そのような仮定を必要としない拡張 MD 法を提案する. 同様の性質を持つ劣勾配法として Nesterov が 2009 年に提案した Dual-Averaging (DA) 法があるが, 提案手法は DA 法よりも小さな絶対誤差の上界を保証できる. さらに我々は, 拡張 MD 法と DA 法のモデルをひとつの枠組みの中で統一的に解析をおこない, DA 法の解析を従来よりも簡略化した. 本研究では, この枠組みの応用として, 滑らかな目的関数を持つ問題に対する効率的な勾配法を提案し, Nesterov が提案した O(1 / k2) の収束オーダーを持つアルゴリズムと比較して, より小さな絶対誤差の上界を保証できることを示す.

5/10 (金) 14:00--15:30 @ W9-303

  1. 講演者: 松井知己氏 (社会工学専攻)
    • 題目: 多数回停止可能な最適停止問題における勝利確率の下界について
    • 概要: 本発表では, 古典的秘書問題を特殊ケースとして含む Bruss の Odds Problem について議論する. Odds Problem では, 0/1 確率変数列を逐次観測し, 各変数を観測後に観測を停止するか, 観測を継続するかを決定する. 停止した確率変数が, 1 となる最後の確率変数である確率を最大にする規則を最適停止規則と呼び, その際の確率を勝利確率と呼ぶ. Odds Problem の勝利確率は 1 / e 以上であることが 2003 年に Bruss によって示されている. Odds Problem において, 多数回停止を可能とした問題については, 停止回数 2 回の場合の勝利確率が e-1 + e-3 / 2 以上であることが, 2010 年に Ano, Kakinuma and Miyoshi によって示されている. 本研究では, 一般の停止回数に対して, 勝利確率の下限を与える. これらの下限は多数回停止可能な古典的秘書問題の勝利確率の下限でもあるという美しい構造を持つことが発見される. 本研究は, 穴太克則氏 (芝浦工業大学) との共同研究である.

4/25 (木) 17:00--18:00 @ W9-201

  1. 講演者: Antoine Deza 氏 (Department of Computing and Software, Faculty of Engineering, McMaster University)
    • 題目: Colourful linear programming and colourful simplicial depth
    • 概要: In statistics, there are several measures of the depth of a point p relative to a fixed set S of sample points in dimension d. One of the most intuitive is the simplicial depth of p introduced by Liu in 1990, which is the number of simplices generated by points in S that contain p. Carathéodory's Theorem can be restated as: The simplicial depth is at least 1 if p belongs to the convex hull of S, and finding such a simplex corresponds to a linear programming feasibility problem. We present recent results and open questions dealing with a generalization of linear programming introduced by Bárány and Onn in 1997, and the associated generalization of the Carathéodory's Theorem proven by Barany in 1982. In particular, we present recent generalizations of the Colourful Carathéodory Theorem due to Arocha et al. and Holmsen et al. and our strengthening of these. We provide a lower bound for the colourful version of the simplicial depth improving the earlier bounds of Bárány and Matoušek and of Stephen and Thomas, and verify that the conjectured lower bound is tight for dimension 4. Computational approaches for small dimensions are discussed. Based on joint works with Frédéric Meunier (ENPC Paris), Tamon Stephen (Simon Fraser), Pauline Sarrabezolles (ENPC Paris), and Feng Xie (Microsoft).

2012 年度 後期

1/17 (木) 17:00--18:30 @ W9-201

  1. 講演者: 宮代隆平氏 (東京農工大学 工学部 情報工学科 准教授)
    • 最適化の応用に関する講演です (諸事情により題目および概要は非公開とさせて頂きます).

12/21 (金) 17:00--18:30 @ W9-201

  1. 講演者: 千代竜佑氏 (中田研究室 M2)
    • 題目: 年金資産運用に対する連続時間モデルと多期間ポートフォリオ最適化
    • 概要: 年金資産運用は, 一般的な資産運用と比較すると運用期間が長期にわたることや継続的なキャッシュフローがあることが特徴であり, 様々な最適化モデルが考えられてきた. 先行研究では資産価値がキャッシュフローを追跡するような運用を目的とした資産運用問題が連続時間モデルで記述され, 解析解が求められている. しかしこの方法で解くことのできる問題は限られており, 運用上の制約なども扱うことができない. そのため本研究では多期間ポートフォリオ最適化の手法を用いて, 同様の問題を不等式制約を扱うことのできる形でモデル化する. また数値実験により連続時間モデルの近似となっていることを示す.
  2. 講演者: 宮崎慶氏 (山下研究室 M2)
    • 題目: Completely Positive 計画問題に対する T 錐緩和による問題サイズの縮小化
    • 概要: 最近, 多くの NP 困難な最適化問題が同値な Completely Positive (CP) 錐上の線形計画問題 (CPP) として定式化されることが示された. この問題の NP 困難性は CP 錐に集約されており, 様々な CP 錐の緩和錐が提案されている. それらの緩和錐の中でも H. Dong により提案された T 錐を用いると緩和問題を線形計画問題 (LP) に定式化できるが, 元問題の次数が上がった時に LP の変数の数が増大し, メモリが不足する. 本論文では, 二次割当問題 (QAP) や最大安定集合問題 (SSP) など, 特定の構造を持つ CPP 定式化可能な最適化問題に対して T 錐緩和 LP の変数の数を大幅に縮小する手法を提案し, その手法を QAP と SSP に適用し, 数値実験を行った.

12/13 (木) 17:00--18:30 @ W9-201

  1. 講演者: 林紳太郎氏 (水野研究室 M2)
    • 最適化の応用に関する講演です (諸事情により題目および概要は非公開とさせて頂きます).
  2. 講演者: 中垣敬氏 (福田研究室 M2)
    • 題目: 対数行列式と l1 ノルムを持つ半正定値計画問題に対するスペクトル射影勾配法の実装
    • 概要: 本研究では, 対数行列式と l1 ノルムを持つ半正定値計画問題に対するスペクトル射影勾配法について考察する. この問題は, ガウシアングラフィカルモデルの最尤推定問題などを含む. これまで同じ目的関数でも変数行列のいくつかの要素が 0 であるといった特殊な線形制約を持つ問題のみ議論されてきた. しかし本研究では, より幅広い一般の線形制約を持つ問題を取り扱う. この問題は, 制約付き最適化問題の代表的なアルゴリズムである内点法では規模が大きくなり, 解くのが困難になる. 今回, この問題に対してスペクトル射影勾配法に基づくアルゴリズムを提案する. 最後に数値実験の結果を報告し, このアルゴリズムの性能を評価する.

11/1 (木) 17:00--18:30 @ W9-201

  1. 講演者: 小林佑輔氏 (東京大学 大学院情報理工学系研究科 数理情報学専攻 助教)
    • 題目: 制約付き 2 マッチング問題に対するアルゴリズム
    • 概要: 最大マッチング問題は多項式時間で解くことのできる代表的な組合せ最適化問題であり, その事実を用いて最大 2 マッチング問題も容易に多項式時間で解くことができる. 一方で, 巡回セールスマン問題は, 最大 2 マッチング問題に付加的な条件を加えた問題と解釈することができるが, 代表的な NP 困難問題である. 本発表では, 様々な制約を付加した 2 マッチング問題の解法・困難性について紹介する. また, この問題を通して, 自分がどのような動機・目的を持って組合せ最適化問題に取り組んでいるかを紹介したい.

2012 年度 前期

7/5 (木) 17:00--19:00 @ W9-201

  1. 講演者: 鈴木翔太氏 (経営工学専攻 中田研究室 M2)
    • 題目: 汎用的なシフトスケジューリングシステムの開発
    • 概要: 病院や店舗におけるスタッフの勤務スケジュールを決める問題はシフトスケジューリング問題として知られている. 本研究では業種, 店舗の規模にかかわらずにシフトを最適化できるようなシステムの作成を目的とした. 一般にシフトスケジューリング問題では制約の種類が多く実行可能解を見つけることすら難しい. さらに実運用を前提としたシステムでは計算時間が限られてしまうことが多い. そこで問題の構造を利用した初期解の生成と, タブー探索法を基にした局所探索を行い高速に良いスケジュールを作成することができた. 実際の店舗のデータを用いた数値実験を行い, 本システムの有用性を示す.
  2. 講演者: 高松瑞代氏 (中央大学 理工学部 情報工学科 助教)
    • 題目: 混合多項式行列の小行列式の最大次数を計算する組合せ緩和法
    • 概要: 動的システムの解析では, 有理関数行列の Smith-McMillan 標準形と行列束の Kronecker 標準形が重要な役割を果たす. これらの標準形を計算する手法として, 組合せ緩和法が室田 (1995) により提案されている. 組合せ緩和法は, 組合せ的なアルゴリズムを用いて解の暫定値を求め, その妥当性を確認するステップにおいてのみ数値計算を行うという, 数値計算と組合せ的手法を融合した方法である. 大部分で組合せ的なアルゴリズムを用いるため効率的で数値誤差に強いだけでなく, 所与の行列の疎性を保つこともできる. 本研究では, 室田 (1995) によって与えられた多項式行列に対する組合せ緩和法の枠組みを, 混合多項式行列へ拡張する. 本研究は岩田覚氏 (京都大学) との共同研究である.

6/7 (木) 17:00--19:00 @ W9-201

  1. 講演者: 吉良知文氏 (JST CREST, 中央大学 研究開発機構 専任研究員)
    • 題目: 先行順序付き合流可能配送計画問題に対する局所探索法
    • 概要: 小売店への商品の配送, ゴミ収集車の運行経路など, 複数の車両を用いて顧客に需要を運搬/収集するときの最適なルートを求める問題はいろいろなバリエーションが考えられており, 総称して運搬経路問題または配送計画問題と呼ばれる. 現実の問題においては様々な制約条件を考慮するため, 実行可能領域内で効率的な局所探索を行えないことも多い. 本発表では, 顧客間の先行順序制約および車両が合流して分担作業をするための制約条件を考慮した問題に対して, シンプルかつ強力な局所探索法を提案できたので紹介する. 提案手法は「扱い易い異なる探索空間を用意し, そこから本来の実行可能領域への写像を定義する」方法の一例である.
  2. 講演者: 穴井宏和氏 ((株) 富士通研究所, 九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所 教授)
    • 題目: 実代数幾何と最適化---数式処理による最適化
    • 概要: 実代数幾何は, 実数体上での代数方程式・不等式系の解集合について研究する分野で, 解集合の性質 (実数解の存否, 解集合の次元, 半代数的集合としての数式表現) を探ることが中心的な研究課題である. それらの研究を構成論的に実現するために必要なのが計算代数 (数式処理) のさまざまな代数的アルゴリズムである. 特に, 実代数幾何に対する代数的アルゴリズムとしては, Cylindrical Algebraic Decomposition (CAD) と Quantifier Elimination (QE) がある. CAD と QE は, (実) 解集合を探る代数的アルゴリズムであるため最適化問題の代数的解法としての顔も持つ. 本発表では、QE や CAD のアルゴリズムについて簡単に説明した後に, QE による最適化手法について応用例を交えながら紹介する.

5/10 (木) 17:00--19:00 @ W9-201

  1. 講演者: 福田光浩氏 (数理・計算科学専攻 准教授)
    • 題目: 量子化学に登場する半正定値計画問題
    • 概要: 量子化学・計算化学・理論化学においての最適化は余り馴染みのない分野であるように思われるが, 実はマイナーなところで活躍をしている. 理研の中田真秀氏と長年研究しているこのテーマは, (分子の) 電子状態が一番安定する最小エネルギーを求める問題である. これは 1960 年代から半正定値計画問題として近似的に定式化できることが知られているが, 実際に高精度で数値的に解かれたのは SDPA など, 半正定値計画問題を解くソフトウェアが整備されてからである.
  2. 講演者: 宮内敦史氏 (経営工学専攻 中田研究室 M1)
    • 題目: モジュラリティの上界値算出
    • 概要: 与えられたグラフを密な部分グラフに分割する操作は, コミュニティ検出と呼ばれる. コミュニティ検出結果の評価関数として, Newman らにより提案されたモジュラリティが知られている. モジュラリティ最大化問題は NP 困難であるため, 数多くのヒューリスティクスが提案されてきた. しかし一方で, 厳密解法や精度保証付き近似解法はほとんど提案されていない. さらに, モジュラリティの上界値算出に特化した手法は全く提案されていない. そのため, 提案されたヒューリスティクスの性能評価は十分に行えていないと言える. 本発表では, モジュラリティの上界値算出に特化した手法を提案する. そして, 大規模なグラフにおいて, その上界値を求める.
  3. 講演者: 笹山賢司氏 (経営工学専攻 水野研究室 M1)
    • 題目: Ineffectiveness of efficiency and inefficiency measures in Network DEA
    • 概要: Data Envelopment Analysis (DEA) とは, 事業体 (Decision Making Unit; DMU) の効率性の相対的評価を行う数理的手法である. 従来の DEA モデルでは, DMU を入力要素を出力要素に変換する単一の活動とみなし, 効率性の評価を行ってきた. 一方, DMU を複数の部門から構成される活動とみなし, 効率性の評価を行う Network DEA (NDEA) が近年研究させている. NDEA では, DMU を構成する各部門の入力, 出力要素, さらに各部門間を流れる中間財 (中間要素) を用いて効率性の評価を行うモデル (NDEA モデル) が考案されている. 本研究は, 従来の DEA モデルには存在しなかった NDEA モデルに存在する特有の問題点を示し, その問題を避ける ことができる NDEA モデルを提案する.

2011 年度 後期

1/6 (金) 17:00--19:00 @ W9-201

  1. 講演者: 羽鳥映子氏 (経営工学専攻 中田研究室 M2)
    • データマイニングに関する講演です (諸事情により題目および概要は非公開とさせて頂きます).
  2. 講演者: 永野清仁氏 (東京大学 生産技術研究所 最先端数理モデル連携研究センター 特任助教)
    • 題目: 凸最適化と制約付き劣モジュラ関数最小化
    • 概要: 多くの組合せ最適化問題は劣モジュラ関数の最小化問題として記述される. 制約なしの劣モジュラ関数最小化は多項式時間で解けることが知られている. しかし、制約を付け加えることで多くの場合最適化が難しくなる. サイズ制約下の劣モジュラ関数最小化は NP 困難であり, さらに近似解を得ることすらも理論的には難しい. しかし, 最密部分グラフ問題やグラフ分割問題などの基本問題を一般化した重要な問題であり, 現実的な手法の提案は重要である. 本研究では劣モジュラ制約下の凸最適化手法を用いることでサイズ制約下の劣モジュラ関数最小化の厳密解を部分的に求めるようなアルゴリズムを設計した. さらに計算機実験によって提案手法の有効性について評価した.

12/16 (金) 17:00--19:00 @ W9-201

  1. 講演者: 小野寺俊裕氏 (経営工学専攻 水野研究室 M2)
    • 題目: 多期間ポートフォリオ問題に対する動的な意思決定を用いたロバスト最適化
    • 概要: 本研究では, 多期間ポートフォリオ問題に対する動的な意思決定を用いたロバスト最適化の応用を行う. ロバスト最適化とは, 現実問題に様々な不確実性が存在している場合に最悪状況を想定し最適化を行う手法である. この手法には, 最悪状況を意識しすぎるあまり解が保守的になってしまうという問題がある. そこで, 本研究ではその保守性を緩和するために, 動的な意思決定の1つの方法である Finite Adaptabilityを応用し, 多期間ポートフォリオ問題への適応を行う. そして, その効果を数値実験を通して評価, 考察を行う.
  2. 講演者: 浅原惇希氏(経営工学専攻 中田研究室 M2)
    • 題目: 半正定値計画問題に対する高精度ソルバの開発
    • 概要: 半正定値計画問題を高精度, かつ現実的な時間内で解くことを目標としソルバの開発を行った. 半正定値計画問題を精度良く解くことは難しく, 従来は解が求められない問題に対して, 非常に時間がかかる多倍長演算を利用するパッケージを用いるなどしていた. この研究では, 主双対内点法の終了後に得られた点を補正するアルゴリズムを拡張主双対法を基に考案した. SDPLIB を中心とした多種のベンチマーク問題に対して数値実験を行うことで, より実用的なソフトウェアであることを示す.

11/25 (金) 17:00--19:00 @ W9-201

  1. 講演者: 坂口聡一郎氏 (数理・計算科学専攻 小島研究室 M2)
    • 題目: 非凸二次整数混合計画問題に対する拡張主双対法を用いた効率的な求解
    • 概要: 非凸二次整数混合計画問題とは, 最大カット問題や最近接ベクトル問題など整数混合のケースを内包し, 様々な応用をもつ問題である. これまでに, 半正定値緩和及び分枝カットと分枝限定法を用いて求解する手法が研究されてきた. 今回この手法を紹介する. またこの手法は, 分枝カットの段階で制約が逐次追加される反復計算の特徴をもち, 従来の内点法に比べ拡張主双対法に有利な性質である. そこで、拡張主双対法による半正定値緩和を試みているので, その紹介も行なう.
  2. 講演者: 和田悠太郎氏 (経営工学専攻 村木研究室 M2)
    • 最適化の応用に関する講演です (諸事情により題目および概要は非公開とさせて頂きます).

11/11 (金) 17:00--19:00 @ W9-201

  1. 講演者: 鮏川矩義氏(筑波大学 大学院システム情報工学研究科 社会システム工学専攻 山本研究室 M2)
    • 題目: 線形順序付け問題に対するラグランジュ緩和と釘付けテスト
    • 概要: 線形順序付け問題は, 個人の選好をまとめて 1 つの選好を構成する方法や重みつき完了時刻の和を最小化する 1 機械スケジューリングなどに応用のある NP 困難な組合せ最適化問題である. 本発表では, 線形順序付け問題を 0--1 整数線形計画問題として定式化した際のラグランジュ緩和法における乗数の取り扱いを改良する方法と, 通常の釘付けテストを問題の構造を用いて強化する手法を提案し, それらの性能を数値実験により評価する.
  2. 講演者: 木村慧氏 (東京大学 大学院情報理工学系研究科 数理情報学専攻 数理情報第 2 研究室 D1)
    • 題目: 整数線形システムの実行可能性問題に対する計算複雑さの指標
    • 概要: 本研究では, m × n 行列 A, m 行ベクトル b, 整数 d が与えられたとき, ``A x ≥ b, 0 ≤ xi ≤ d - 1, xi は整数'' が実行可能であるかを判定する問題を扱った. 本研究では, この問題に対し, 計算複雑さの指標 γ を提案した. この指標は行列 A の符号情報のみに基づくものである. 本研究では上記の問題に対し, 1. γ < 1であれば, 多項式時間可解である. 2. γ = 1であれば, 擬多項式時間可解かつ弱 NP 完全である. 3. γ > 1であれば, 強 NP 完全である. ことを示した. この結果は先行研究における 2 次システムやホーンシステムに対する結果を真に包含している. また, 指標 γ は行列 A の符号情報から作られる線形計画問題の最適値であり, 多項式時間で計算可能である.

10/18 (金) 17:30--19:00 @ W9-201

  1. 講演者: 田中研太郎氏 (経営工学専攻 助教)
    • 題目: 統計における条件付き独立性と線形計画問題
    • 概要: 統計における条件付き独立性の表現手法として, グラフを用いた表現手法 (グラフィカルモデリング) がよく使われるが, グラフでは表すことのできない条件付き独立性の構造が存在することが知られている. この欠点を克服するために, imset と呼ばれるものを用いた代数的表現の手法が Studeny (2005) によって提案されている. imset は有限集合上の優モジュラ関数のなす錐の双対錐に対応しており, 条件付き独立性に関する議論を線形計画問題に帰着できる場合があることが知られている. 今回の発表では, imset による条件付き独立性の表現についての基礎と, そこで現れる線形計画問題について紹介する. また, 最近の研究で得られたいくつかの理論的な結果と数値例について発表する.

2011 年度 前期

6/27 (月) 18:00--19:30 @ W9-201

  1. 講演者: 山下真氏 (数理・計算科学専攻 助教)
    • 題目: センサーネットワーク配置問題に対する疎性を活用した半正定値緩和

6/13 (月) 18:00--19:30 @ W9-414

  1. 講演者: 北原知就氏 (経営工学専攻 助教)
    • 題目: 単体法によって生成される基底解の数に関する最近の研究について

5/30 (月) 18:00--19:30 @ W9-201

  1. 講演者: 田中未来氏 (経営工学専攻 中田研究室 D1)
    • 題目: 0--1 整数変数を含む非凸 2 次最適化問題に対する面的縮小を用いた非負半正定値緩和

5/23 (月) 18:00--19:30 @ W9-201

  1. 講演者: 高野祐一氏 (経営工学専攻 助教)
    • 題目: コンスタント・リバランス・ポートフォリオ選択問題に対する多項式最適化アプローチ

リンク

Copyright (C) 2001-2018 MIZUNO Lab. Tokyo Institute of Technology. All Rights Reserved.